人工地盤上での緑化、特に植物の育成に対する問題点は、風が強い・乾燥しやすい・地下からの水分補給がない、の3点に集約さます。従って、導入する植物材料はこれらの条件に対して基本的に強い耐性を備えたものであることが望まれますが、現在の緑化技術でかなり改善できると考えて差し支えありません。

一般に、樹高が倍になると、根張りは4倍、体積は8倍になるといわれています。成長の早い樹木や、将来的に大高木となるような樹木は、荷重条件の圧迫を招きあまり望ましくありません。
同じく、荷重条件を圧迫するものに、根鉢があります。植物は根から養分や水分を補給し、葉の呼吸作用によって成長します。従って、通常の樹木は葉張りと同じ面積に根を広げていると言われています。しかし、市場に出される材料では、根回しをして小さな鉢のなかでも細かい根を張って充分生育出来るようにあらかじめ調整してあります。

移植によるストレスを最低限に抑えるために、根回しされた範囲の土=根鉢は、樹木の一部として運搬されます。従って、根鉢の大きさ(縦横とも)は、樹木規格に準じて大きくなります。しかも、この部分では通常の土壌が使われているため、高木を用いる場合はこの重量が大きな問題となります。

根鉢の高さも人工地盤緑化の土壌厚に影響を与えます。このため、最近では根鉢を薄くして軽量化を図った樹木材料の開発生産が行われ始めました。

緑化植物材料の分類

植物の分類については色々な方法がありますが、最も一般的で、市場や利用者にも解りやすい方法は、まず、植物材料の大きさ(木の高さ)で区分するものです。次に、常緑樹か落葉樹で分けます。

地被では常緑のものが一般的で、草花は通常常落の区別をしません。葉の型で針葉樹と広葉樹に分けますが、落葉の針葉樹と、針葉樹の低木はごくわずかな種を除いて一般的ではありません。

ヤシ類、タケ類、フジ等のツル植物等は、これらの区分になじみにくく、特殊木として一括しています。最近では、針葉樹の低木類が愛好家に好まれ、コニファー類として親しまれています。

以上の大きな区分をもとに、光に対する要求度の違い(陰樹・陽樹)、花の楽しめるもの(花木)、実のなるもの、乾燥に強いもの等の性質が分けられます。

性状 樹種
高木 通常H=3m以上の樹木を示します。植えた当初は小さくても、将来的に3m以上に成長する樹木は高木です。 常緑 ヤマモモ、アラカシ、キンモクセイ、クロマツ、モチノキ等
落葉 アキニレ、イヌシデ、コナラ、コブシ、ハナミズキ、シラカバ、ヤエザクラ、シダレザクラ、ナツツバキ等
中木 通常H=1~3mまでの樹木を示します。また、放っておけば3m以上に成長する樹木でも、生垣のようにH=3m未満で保っておきたい樹木も含みます。亜高木、喬木ともいいます。 常緑 ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、ツバキ、ウバメガシ、コノテガシワ、モッコク等
落葉 カイドウ、スモモ、マンサク、リョウブ、ムクゲ等
低木 通常H=1~3mまでの樹木を示します。また、放っておけば3m以上に成長する樹木でも、生垣のようにH=3m未満で保っておきたい樹木も含みます。亜高木、喬木ともいいます。 常緑 アセビ、サツキ、カンツバキ、オオムラサキツバキ、アオキ、カルミア等
落葉 アジサイ、コデマリ、ドウダンツツジ、ハマナス、ヤマハギ、ユキヤナギ等
アイビーのようなツル植物も含みますが、通常は放っておいても毎年花が咲き成長するものを対象とします。 ヘデラ類、タマリュウ、フッキソウ、コグマザサ、シバザクラ、マツバギク、メキシコマンネングサ等 草花
通常一年草(植え替えないと花が咲かない草花)を示します。 アジュガ、宿根アスター、キンケイギク、ジニア、フランスギク、ゼラニウム、バーベナ、ペチュニア等